愛知県一宮市のマンション2階の一室で住人の女性と子供4人の計5人の
遺体が見つかったというニュースがありました。
一家5人無理心中の可能性との報道があり、あまりに悲しいニュースを
聞く度に胸が痛くなります。
社会支援はなかったのだろうか?
ひとり悩みを抱え込んでいたのではないだろうか?
貧困に苦しむ母子家庭の支援は?
支援と言えば公的なもの、社会的企業やNPOによるものが考えられるのでは
ないでしょうか?
公的支援として指摘される「生活保護」と「児童扶養手当」ですが・・・
母子家庭の相対的貧困率は50%を超えているそうです。
それなのに・・・・
厚生労働省が2012年9月7日に発表した全国母子世帯等調査では、
生活保護受給は14.4%だそうで、低い値を示しているといいます。
このギャップはどうして生まれるのか?
母子家庭が生活保護を受けない理由?
母子家庭の貧困は深刻なはずなのに、ひとり親家庭が生活保護を受けない、
受けられない理由として・・・・
4つの要因
1・生活保護に対する差別的な烙印が強いので受けるのをためらう、
2・自動車がないと生活できないが生活保護受給の場合は、
3・自動車を資産扱いされて処分を指導される。
親きょうだいなど扶養義務者への扶養照会を避けたい。
4・申請に行っても申請書を出せない。
(本書引用)
それらを乗り越えて生活保護を受給する母子家庭に対する、
バッシングもあるようです。
もしそんな無知の批判があったとしても負けないで欲しい!
生活保護を受給するひとり親家庭の半分が働いていたり、被保護母子世帯では
心の病気を抱える人が約30%、DV被害経験者は約70%にも及んでいたりするのです。
個人の努力ではない、生活保護受給が「甘え」や「怠け」では片付けられないことを
しっかりと理解して、仕組みとしての改善策を講じなければならないことを痛感
させられるのです。
ひとり親支援プランを知ろう
病児保育を行うNPO法人フローレンスなど非営利セクターによる支援から、
キャッチコピーは「シングルマザーを管理職にする」という
株式会社ハーモニーレジデンスの取り組みまで、
さまざまな支援を学ぶことができます。
公的支援からその他の支援まで幅広い支援のあり方を本からも学ぶことができます。
ひとり親家庭へのサポートを知るためにはうってつけの1冊といえるでしょう。
知らなければ損をする~~ww!
「ひとり親支援プラン」の対象は、シングルマザー・シングルファーザー家庭です。
月会費1000円で、通常プランと同様の病児保育
(子どもが病気のときに保育スタッフが派遣される)が受けられます。
4ヶ国の母子家庭の現状は?
シングルマザーへの支援のあり方、現状の解決策を考えるとき、
日本以外の国の事例が参考になるかもしれません。
シングルマザーの暮らしと福祉政策―日本・アメリカ・デンマーク・韓国の比較調査
そんなときにおすすめしたい1冊です。
日本、アメリカ、デンマーク、そして韓国の4ヶ国のングルマザーの現状や
政策を学術的に学ぶことができます。
日本の現状を考えるうえで、国際比較から得られる知見は大きいのです。
高福祉国家であるデンマークにおける家族の形に対する意識は目からうろこです。
「家族の形よりも子どもに対する個人単位の支援策であり、
すべての子どもに質のよい環境を保障するという子どもの
権利基盤型施策が組まれており、家族の形による差別は存在しない。
その結果、有子世帯の約2割を占める母子世帯にも寛容である。
こうした社会が形成できたのは、1930年代に母子世帯に関心があつまり、
負の烙印をおさないような意識作りが行われた結果であるといわれている」
(本書より引用)
1930年とは既に70年以上も前のことですから、驚かされます。
子どもは社会が育てるという価値観が根付いているようです。
日本の子ども貧困率は深刻
日本の子ども貧困率は、想像以上に深刻です。
貧困家庭にいる子どもは、実に6人に1人、約325万人いるとされています。
母子家庭の貧困に向き合い、活用できる制度、支援はしっかりと知って下さい。
難易度が高い文章が続くわけではありません。
本書でひとり親家庭について学術的な知見を深めてみてください。
子供達の未来のために・・・・
貧困に負けないで、今・・活用できる支援は堂々と受けて下さい。
母は、強く、逞しく、明るく、図々しく・・活きて欲しいですね。
一魂こめて・・・