年収200万円未満の人の死亡リスクは400万以上の3倍?
低所得層の要介護者、高所得層の5倍と言われています。
収入が200万しかない人は、400万家庭の死亡リスクが3倍高い?!
見落とされてきた「もう一つの格差―健康格差」という言葉は、
いったい何を意味するのでしょうか?
健康格差とは?
見落とされてきた「もう一つの格差―健康格差」という言葉で、
健康格差社会を生き抜くの本は始まっています。
「健康格差社会」を生き抜く(朝日新聞出版)の著者で社会疫学者の近藤克則氏です。
生育環境や学歴や雇用形態など、実にさまざまな要因と連動しています
たとえば・・・・母親の栄養や健康状態が悪く低体重で生まれた子どもは、
将来糖尿病になる確率が普通体重で生まれた子どもの5倍以上。
母親のお腹にいるときから、すでに健康格差は生じているのです。
と近藤氏は語っています。
仮に普通体重で問題なく生まれたとしても、成人後に健康的な生活を送れるかどうかは、
幼年期の家庭環境に大きく左右されると言われています。
経済的に厳しく両親が働き通しであれば、手料理を食べる機会が減り、
子どもは安いインスタント食品や、出来合い物中心の食事になりやすい。
そうなると十分な食育がなされず、大人になっても不健康な食生活になる
可能性が高くなります。 とも・・・・・
家庭の収入は子どもの学歴にも影響
また、家庭の収入は子どもの学歴にも影響を及ぼします。
きちんとした教育を受ける機会がないと、親だけではなく、
子どもも、貧困層に組み込まれやすくなる!
もちろん・・・・
所得が低くても、健康的な生活を送る人もいますが、
全体的に貧困層ほど安価で、高カロリーな食事に偏りやすく、
喫煙や運動不足など、不健康な生活習慣に陥りがちです。
「そんなこと言われなくても分かっている」
そうおっしゃる方も居るかもしれません。
ただ・・・目の前の出来事でないことを、人間はイメージすることが苦手なので、
こういった当たり前のことだけど、見たくないことは、
先延ばしにする傾向があると言えます。
実際、近藤氏が要介護者の割合を所得階層別に調査したところ、平均すると低所得
(給与所得控除後の総所得が0万円。夫婦で公的年金のみの場合で約175万円未満)
の要介護者は17.2%に上ったそうです。
これは、高所得層
(同所得200万円以上に加え公的年金175万円以上)
の約5倍にあたります。
また、65歳以上の高齢者
約1万5000人を対象とした調査では、
男性のうち年収200万円未満の人の死亡リスクは年収400万円以上の人の約3倍、
がんの死亡率に絞っても約2倍だったと言われています。
もちろん年収が少なくても健康で長生きしている人はいらっしゃると思います。
ただ・・確率論的には低収入だと心身ともにはリスクを負いやすいのです。
格差社会で生まれた貧困は、その当事者だけでなく、社会全体の健康を蝕みます。
所得や学歴、職業階層などの社会的地位によって
「いのちや健康にも格差がある」ことを著者は訴え警告しています。
今、私たち一人ひとりができることはなにか?
健康格差が小さい社会とは、心理社会的なストレスとそれによる不安、
不健康や「避けられる死」が少ない社会であり、
健康格差という視点にたって、その原因となる社会環境を解明し、
日本が、経済と並んで幸福・健康を重視する社会を目指して、
一歩でも前進して欲しいという著者の思いが伝わってきます。
健康格差社会への処方箋
格差社会で活き抜くには?
格差について・・・いい悪いを論じることよりも、格差によって生じる課題の対策を考え、
行動していくほうが現実的で効果も大きいはずです。
健康格差だけでなく、経済格差の問題についても、同じことが言えます。
格差があろうとなかろうと・・・・
今の、このご時世のなかで生き抜いてゆかなければなりません。
まして・・・母子家庭ともなれば子どもたちの為にも「母は強し」で生き抜いて
逞しく、明るく、元気に頑張って欲しいと切に願います。
一魂こめて~~~